
息子との対話
十八歳の息子をバイト先に送る車の中で
何かの話がきっかけとなって
朝から人生論を語る
押し付ける気持ちも
絶対に分かって欲しいとも思わず
ただ母は日々こう感じて生きてるんだよと伝えただけなのだが
「これからバイトに行くのに重いよ~!もう分かった分かった!」
と息子は言った
「そうだよね~。でもさぁどう思う今の話?」
と聞いたが
何も答えはなかったから
私はその話に終止符を打った
言葉の伝わり方
大切な話を伝えたい時
感情がそこに乗っかりすぎると
言葉に抑揚がつきすぎて
メッセージ性が強くなり圧力を感じる
まるで説教をされているような
高圧的な印象を受けかねない
だからできるだけ淡々と静かに(これも自分なりの評価に過ぎないけれど)話すのだけど
今回はその話し方がマッチしていなかったのかな。。。
相手の受け皿の問題もあるのだけれど
“立場”というものが一つの壁であることにも気付く
親と子
先生と生徒
上司と部下などは
このケースに陥り易い
こちらがこの考えが正しいのだ!
悪いのはお前だ!と思った瞬間に
それは起こるし
相手を正したい 導きたい 引き上げたいと思った時にも起こる
落ち込む人を励ますと
またその人が落ち込んだ時に
相手に引き上げてもらおうとする依存が始まるように
そういった関係性の中でも”立場”が頭角する
人は誰かに何かをさせるのは無理
残念だけれども仕方がない
私は少なからず
親は子供の人生をコントロール出来るわけではないと思っている
(子供がこうなって欲しいと描いている人は理解に困ると思うのだけど)
ある一定の年齢に達すると
金銭面を除いては
自分のことは大抵自分自身でやりこなせる
私が今親として出来ることは
五行でいう”木”の質を持った彼が
のびのびと天まで伸びていける様に
私という”土”を肥沃にしてあげること
相手の事を想うにしても
その見えている裏側には必ず陰の私があり
育む 成長させるとは
すなわち私を整えると自然に周りが整ってくるということになる
情熱を燃やせのは本人次第
人生を楽しく
希望を持って
いきいきと生きていくためにも
健全な思考は必須
自分自身が感情に飲み込まれない芯の強さや
物事を見極める洞察力があるとなお良い
想像通り全てが叶うなんて奇跡に近いけど
叶った時こそ驕らず周りに感謝し
壁がはだかった時には超えるための知恵や努力も必要である
益々人生が面白くなるように
「情熱を燃やせるものを見つけてハートに従って生きなされ」と
バイト先に降ろしたやがてすぐに親を超えていく息子の背中を見て
母はそんなことを思うのでした